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診療科のご案内

整形外科

外来診療時間案内

令和6年4月1日現在

受付時間 区分
午前 8:30~11:00 1診 酒井
〔初診〕
酒井 酒井
〔初診〕
西川
〔初診〕
酒井
2診 高嶋 西川
〔初診〕
西川 高嶋 高嶋
〔初診〕
午後 1:00~3:30

スタッフ紹介

酒井 康一郎

顧問 兼 主任整形外科部長 
酒井 康一郎(さかい こういちろう)
関節・整形外科一般・スポーツ

整形外科医長
高嶋 勇人(たかしま ゆうと)
関節・骨粗鬆症・整形外科一般・スポーツ

整形外科医長
西川 裕行(にしかわ ひろゆき)
整形外科一般・脊椎

 整形外科では主に骨と関節の疾患を診ますが、脊髄や末梢神経、筋、腱など、すなわち首から下の骨格・運動系の外傷や疾病を幅広く診療する科です。

近年は高齢化社会であり骨粗鬆症の方も増えています。それと伴にちょっとしたことで転倒し、脊椎圧迫骨折や大腿骨骨折を生じてしまう高齢者も増加しています。一度骨折を生じると回復するまで大変ですから、骨粗鬆症の予防・治療あるいは転倒予防について外来や講演会あるいはケーブルTVなどでお話していきたいと思います。

 当院の整形外科医は常勤3名で、外来・病室・手術・リハビリテーションなどの診療に誠心誠意対応しています。

 外来は特に待ち時間が問題とされるところですが、予約制のもと急患、新患、予約再診の順に、できるだけお待たせしないよう心掛けています。

 当科は、膝関節疾患の治療に力を入れている(膝内視鏡手術(関節鏡)や膝周囲骨切り術、人工膝関節置換手術においては豊富な経験があります。)ほか、骨粗鬆症治療に係る医科歯科連携『かみいちモデル構想』や変形性股関節症の人工股関節置換術にAMIS(最小侵襲前方侵入法)を採用・実施(北陸では初)しておりますので、これらにお悩みの方は、ぜひ当科に御相談ください。

※『かみいちモデル構想』、AMISの採用・実施については、以下を参照ください。

骨粗鬆症治療と健康な口腔の維持のための医科歯科連携『かみいちモデル構想』の実施

 骨粗鬆症の治療には様々な薬が使用されますが、主に使用される骨吸収抑制薬(骨の破壊を抑えて既存の骨を残す効果のある薬)には『顎骨壊死』という副作用があります。

 「顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016」において『骨吸収抑制薬の投与を受ける予定患者の歯科治療すべての歯科治療は骨吸収抑制薬開始前の2週間前までに終えておくことが望ましい。』と記載されているにもかかわらず、現状、日本の多くの病院やクリニックでその旨をお伝えすることなく、骨吸収抑制薬の処方や注射が行われています。

 顎骨壊死の発生頻度は10万人当たり数十人程度と比較的低いのですが、(軽症であれば抗生剤治療で済むケースもありますが)壊死した『腐骨』を除去する治療が必要となった場合は、歯が植立している土台がなくなるため、噛むという行為が難しく、人生の楽しみであり健康の中心になっている食事摂取ができなくなります。

 骨粗鬆症は『食事、運動、薬物療法』の3つの柱がうまく機能して初めて骨密度上昇につながるといわれておりますが、治療のための薬でそのうちの1つの大事な食事を奪われる可能性があります。

 そこで、当院では、骨粗鬆症治療と健康な口腔の維持のための医科歯科連携『かみいちモデル構想』を令和5年1月19日から運用しております。

 これは、骨粗鬆症の予防又は治療に使用する薬(骨吸収抑制薬)の副作用(吸収抑制薬関連顎骨壊死)の発症リスクを減らすため、当院と町内の全歯科医院が連携し、骨粗鬆症の治療等に係るほぼ全ての症例に対して、あらかじめ歯科スクリーニング及びそれに伴う歯科治療を実施するものです。さらに、令和6年3月からは中新川郡の全歯科医院と連携を行い、医科歯科連携「かみいちモデル構想」~中新川版~へ拡大しております。

 全国的にも近隣の歯科と総合病院が連携した歯科スクリーニングの取組は珍しく、上市町を『ロールモデル』として富山県、さらには全国へ発信していく予定です。

町内歯科医院による当院入院患者への訪問診療の様子  

人工股関節置換術におけるAMISの採用・実施

 股関節の主な疾患として「変形性股関節症」があります。これは、加齢、生まれつきの股関節脱臼、臼蓋形成不全等により関節軟骨が摩耗して変形し、股関節が変形する疾患です。その主な症状としては、股関節の痛み、股関節の動きの制限等があり、その変形が進行すると、変形した方の脚の長さが短くなることにより、歩行能力が低下し、転倒リスクが高まります。

 人工股関節置換術とは、変形性関節症により傷んで変形した関節を人工の関節に置き換える手術のことをいいます。人工股関節置換術における股関節への侵入法(どこからどのようにして股関節まで到達するか)は様々であり、病院によって異なります。国内で最も多く採用されているのは「後方侵入法」であり、手術を短時間で終了できる利点がありますが、術後の痛みのほか、股関節の後方の筋肉と関節包(関節の袋)を切り離すことから後方脱臼する可能性が他のアプローチより高いという欠点があります。

 令和4年11月から当院が人工股関節置換術における侵入法に採用・実施している「AMIS」は、筋肉を一切切らないだけでなく、筋肉以外の軟部組織も可能な限り温存する特殊な侵入法であり、また、レッグポジショナーという器械を使って、足の位置を操作することにより手術助手の負担を少なくすることができるものです。

 この侵入法は他の侵入法よりも低侵襲であるため、術後の痛みが少ないことのほか、早期に回復することを期待することができます。

2023年度富山県医学会(第77回)におけるポスターセッションで銀賞を受賞しました。
(↑クリックで詳細ページへ)

レッグポジショナーを扱う高嶋整形外科医長  

 

膝関節痛で困っておられる方へ

当院ではスポーツをライフワークとしている、土木や建築業、立ち仕事、長距離歩行、介護業務などに従事されているものの、膝関節痛で悩んでおられる方への治療に力を入れております。

膝関節痛の原因には半月板断裂、靱帯損傷、軟骨のすり減りや骨棘形成が生じる変形性膝関節症などがあります。まずは、その原因をしっかりと精査し治療方針を立てていきます。

保存的治療について

詳細に食事について糖質、タンパク質に関するアドバイスを行い一緒に考えていきます。運動に関しては筋力トレーニングや有酸素運動を中心とした指導を行い、可能であればプール歩行などもお勧めしております。

基本的には身体づくりを行うことで膝関節の疼痛緩和を図って行きます。

さらに、自身のがんばりを『見える化』するために、体組成計による筋量、体脂肪率を測定しております。

手術加療について

手術加療は疼痛が強い方や保存的治療でも疼痛が残存する方へお勧めしています。

当院では人工膝関節置換術だけではなく、半月板手術や膝周囲骨切り術も行っております。

半月板断裂や軽度の内側変形性膝関節症があるものの、スポーツがしたい、仕事への従事が必要な方が対象になります。

近年、膝関節レントゲンでは初期の変形性膝関節症の方で、内側膝関節板半月板後根断裂(medial meniscus posterior root tearMMPRT)が生じさらに半月板逸脱をきたした症例が報告されております。    膝関節MRIを施行することで診断ができ、必要に応じて半月板縫合やセントラリゼーションという半月板を元の位置に戻す治療を行っております。

さらに、内反変形(いわゆるO脚)を合併しているケースでは脛骨高位骨切り術を併用することで疼痛緩和を図ることができ、元の活動性を取り戻すことができるようになります。

進行した変形性膝関節症があり、膝関節痛でお困りの方や歩容が不安定で転倒のリスクが高い方が対象になります。

当科では日本人は生理的内反を有する方が多く、変形前の靱帯バランスを尊重して人工関節を入れるキネマティックアライメントという方法で行っております。

そうすることでこれまで以上に早期から歩行能力の改善が図れる可能性があり、全国的にも徐々に普及しつつあります。

※午後は手術、検査等で診療できない場合がございますので各診療科の午後の診療の有無は当日電話でご確認ください。

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