病院紹介

初期臨床研修(地域医療研修)のご紹介

当院は、臨床研修病院(協力型)として、関連病院の初期臨床研修(地域医療研修)を行っています。

初期臨床研修を行った医師から

かみいち総合病院での地域研修を終えて(平成29年3月)

富山県立中央病院初期研修医2年目の中井と申します。かみいち総合病院で1ヶ月間研修をさせて頂きました。

これまでは急性期病院で診療にあたっていたため、状態が落ち着いたけれどもすぐには自宅に戻れない、療養継続が必要となった患者さんについては、その他の病院や施設に転院をお願いするばかりでその後の経過について知ることはほとんどありませんでした。かみいち総合病院では急性期の患者さんの受け入れはもちろん、退院調整や訪問診療にも力を入れており、一緒に診療に携わる中で多くの学びがありました。

まずは診療内容の違いです。ご高齢でADLが低下した方だと治療自体、積極的かつ侵襲的なものは困難な場合も多く、負担になり過ぎない範囲でどのような治療を行ったらよいか考える場面によく直面しました。また退院に当たっては、ご本人だけではなくご家族の意向や家庭・社会環境を考慮した上で、どの場所で、どのサービスを利用しながら療養を継続するのが適切なのか考なくてはならず、その際には多職種が関わって知識・経験を総動員して調整していくことの重要性を実感しました。

訪問診療の現場をじっくりみることができたのも良い経験になりました。特に、在宅で看取りを行うことにした、または行った家庭を何件か訪問させていただき、ご本人やご家族が静かに最後の時間を過ごしておられる様子を拝見して、在宅での看取りのあり方を多くの方に知っていただくとともに、希望される家庭には安心して最後の時間を過ごせるような環境づくりを進めていくことが、今後より一層大切になると感じました。

短い間ではありましたが、大変密度が濃く学びの多い研修でした。研修にご協力いただいた全ての方々に御礼申し上げます。

初期研修医 2年 中井

かみいち総合病院での地域研修を終えて(平成29年2月)

私はこの1ヶ月間、かみいち総合病院にて地域医療研修をさせて頂きました。院内研修では内科外来での診療、入院患者さんの担当医をさせて頂き、院外研修では訪問診療や施設研修に同行させて頂きました。

訪問診療ではスタッフと共に様々なお宅を訪問しました。まず、訪問診療は医療スタッフとご家族の信頼関係がないと成り立たないと感じました。訪問診療では疾患だけを診るのではなく、患者さんがこれまでに歩んできた道やご家族といった生活史を知り、「患者さんにとって何が一番幸せか?」「ご家族の思いを叶えてあげるにはどうしたら良いか?」といいった想いに対し、一人ひとりに合わせた理想的な医療を求める姿が印象的でした。また、院外研修では公民館などで健康講話の時間を頂きました。「からだと腸の関係~人生は腸で決まる??~」と題し、腸の働きや構造、そして腸内細菌(善玉菌など)の働きについて1時間程お話をさせて頂きました。腸内細菌を鍛えることで全身の健康が良くなるということを、少しでも多くの方に知って頂く良い機会になりました。研修の合間の天気の良い日には、上市町観光にも行きました。美味しい水、豊かな自然、優しい人達、全てが揃ったとても住みよい町だと感じました。

今回の研修を通して、今までの自分の診療態度を反省すると共に、医療は「病気」ではなく「人」を相手にしているのだと再認識することができました。この経験を忘れずに、将来自分の進む進路において理想の医療を求めていきたいと思います。最後になりますが、お世話になりました先生、スタッフ、施設、地域の方々、1ヶ月間ありがとうございました。

初期研修医 2年 林 

かみいち総合病院での地域研修を終えて(平成29年1月)

初日は上市町の観光に行きました。穴の谷霊水や大岩山、眼目山などに連れて行っていただき、自然豊かで開放感がありとても良いところでした。

訪問診療では、先生方に付いて毎日色々な患者さんを診察させていただきました。疾患だけでなく患者さんを取り巻く環境や家族・社会的・経済的側面など患者さんの背景を知り、患者・家族それぞれに合った医療を行うことが大切なのだと知りました。また、終末期を迎える患者さん、それを支える家族に対し常に真剣に向きあい、それぞれの思いに耳を傾け、優しく丁寧に話していました。在宅療養は家族にとっては大きな負担となると思いますが、家族に見守られながら最期を迎えた患者さんは、病院よりもきれいな顔をされているように思いました。

巡回診療では雪深い山間へ行きました。高血圧などの慢性疾患の診療にあたり、終わったら高齢者の方々の輪に入りお茶・お菓子をいただきました

デイサービスでは、高齢者の方々にミニ健康講義をしました。色々な健康相談をされ、知識不足で上手く答えることができませんでした。介護福祉施設では入浴着衣介助や飲水介助をしました。普段経験しないことで、とても体力とすばやさのいる大変な仕事だと身をもって知りました。

院内研修では病棟業務、口腔ケアや内科初診、脳外科・小児科研修等をしました。急性期の病院ではあまり意識していませんでしたが、治療するだけでなく患者さん・家族の生活環境・ADLを把握し地域医療連携室や多職種が深く関わって、一人ひとりの退院後の生活を考えているのだと知りました。

今回の研修を通し、患者さんの意向に添えるよう多職種が連携しサポートしていくことが医療者として必要なことだと感じました。最後に指導してくださった先生方、スタッフの方々、施設の方々1ヶ月間ありがとうございました。

研修医 2年 前田

かみいち総合病院での地域研修を終えて(平成28年12月)

私は大学5年次の地域実習でかみいち総合病院に来たことがありました。実習後には“病院以外で見る患者さんの表情はこんなにも違う”、“訪問診療では患者さんの生活の様子やご家族との関係がこんなにも感じられる”という様に思いました。実習で実際に患者さんの前に立つようになってから病院内でしか患者さんと会っていなかった私には、病院外での経験はとても新鮮で驚きばかりでした。

研修医として地域研修を行うことになったとき、私は迷わずにかみいち総合病院を選びました。学生の頃はできなかったことや考えが浮かばなかったことも、少しずつ理解できたり実行できたりするようになった自分の成長を感じ嬉しく思いました。しかし実際に自分で行うことが増えてくると、上手く出来ないところも沢山見てくるようになりました。この1ヶ月の研修期間には先輩医師だけではなく、看護師や社会福祉士といった沢山のスタッフに助けていただくことが多々ありました。患者さんやご家族を支援していく“チームの一員”として自分のやるべきことや連携すべきことはなんだろうと考えられるようになりました。

また研修期間中に上市にある介護施設へ訪問させて頂きました。実際にどのようにサービスが提供されているのか、利用者さんたちはどのくらいのペースで通所されているのかといったことが分かり、医療と同じくその人に応じた関わりが重要であると感じました。

最後になりますが、かみいち総合病院や市内の各施設の職員に温かく迎え入れていただき、楽しくも充実した研修を過ごさせていただきました。この経験を生かし、自分なりの診療やかかわり方を実現していきたいと思います。1ヶ月間という短い期間でありましたが本当にありがとうございました。

研修医 大西

ページトップ